電柱脇の随想ノート

創作に繋がる何か

最近読んだ本

ここ最近読了した本を挙げてみる。

あまり最近じゃないものも含まれているけど、そこはそれ。

 

ラノベ基礎教養ということで異世界召喚もののルーツの1つであるこの偉大な作品を全部。ええ全部です、全部。正伝、外伝ひっくるめて28冊。だいたい3ヶ月くらいかかった。まあ読書だけして生きてもいられないのでこんなもんかと。

 

「ダルタニヤン物語」や「ハリー・ポッター」をベースとした王道のド直球のボーイミーツガールなストーリー。基本伏線なんかもすぐ分かったりするし、各巻ごとに大体問題は解決するのでスッキリする。まあその辺が途中ワンパターンになったりもするけど文章が巧みなので飽きさせない。人気が出たのも分かるわこれ。

 

ちなみにこのシリーズ、最後の2巻を書き上げる前に作者が亡くなってしまい、遺されたプロットを元に志瑞祐氏の代筆によって無事完結するというもう1つの「物語」があったりする。普通は著者絶筆で終わってしまうのになんと幸せなことか。この辺もグッとくるポイント。

 

7巻くらいからふせったーを使って感想をツイートしていたので、いちおうリンクを貼ってみる。なんか内容が重複しているのはふせったーの使い方をよく分かっていなかったから。たぶんどっちを見ても基本的には中身は同じはず。

@hashira2ndさんのツイート一覧 | fusetter(ふせったー)(2月分)

@hashira2ndさんのツイート一覧 | fusetter(ふせったー)(3月分)

@hashira2ndさんのツイート一覧 | fusetter(ふせったー)(4月分)

 

 

こちらはラノベという言葉もない頃から続く、日本のファンタジー小説の金字塔的シリーズの、現時点での最新巻。前シリーズから実に100年後という設定で、パーン以下主要キャラクターは長命なエルフ族以外全員お亡くなりになっている。さらっとではあるが、かつての英雄達の老いと死を逃げずにきちんと描いているのは偉いと思った。

 

100年の平和を破り、武力によりロードスを統一せんとする大国フレイムと、それを阻むため永遠の乙女ディードリットを捜し、「ロードスの騎士」の名を継ぐ決意をするマーモの第四王子ライル、という構図。マーモの王族の兄弟たちはそれぞれに全く異なる思惑があり、そこから様々なストーリーが展開していくんだろうなという感じ。1巻なのでほんとに序盤の、さあこれからというところで終わっている。

 

で、2巻はあとがきによれば2020年頃には出ているはずなんだけれども、この2023年の段階で音沙汰なし。水野さーん、贅沢は言わないんで年1冊くらいでいいから続き出してもらえませんかね?

 

 

  • カペー朝 フランス王朝史1 (佐藤 賢一(著))

987年から1328年まで続いたフランスの王朝、カペー朝。世界史の授業では一瞬しか出てこないし、創作の舞台となることもほぼない。理由はたぶん、とにかく地味なこと。あまり傑出した王もいない(ゼロではない)し、これといった大きなイベントもない(ゼロではない)。なにより名前からしてなんか気が抜ける。カペー。なんか合羽と同じ語源らしいが。

 

あまり華がないというのもまあ致し方ない理由があって、この王朝、初期は領土がフランスの片田舎くらいの広さしかなく、国力もないので、周辺と小競り合いするくらいしかできない。そこから地道に領土を広げ、国内の政治制度などの基盤を固め、末期には相当な大きさとなる。300年以上直系男子の跡継ぎに恵まれたことも大きい。丹念に掘り下げていけば結構面白いイベントがあるし、歴代の王もなかなかの個性派揃いである。意外と物語の舞台としてはブルーオーシャンかもしれない。

 

 

サンマグノリア共和国に襲いかかる「帝国」の機械部隊と、被差別人種である「エイティシックス」の少年少女たちとの戦いを描く。彼らと、共和国の指揮管制官(ハンドラー)レーナとの交流を軸に物語が展開していく。

 

戦争の非情さ、過酷さ、絶望的状況がこれでもかと描かれて最後まで緊迫感がある。ただ文章が技巧に走りすぎていて読み辛いことこの上ない。3分の1くらい読むと慣れたけど。

 

この差別構造、どう見ても某第三帝国がモデルなんだけど、比較してなにゆえ主人公達有色人種が差別されているのかよく分からない。とにかく豚呼ばわりされ虐げられる。なんか歴史的な因縁とかそういうものが欲しかった。あと共和国陣営がとにかく無能揃いなのだけど、いくらなんでもアホすぎやしないだろうか。まあそれゆえ自滅していくわけだけどそれにしたってやりすぎの感がある。

 

詳細は伏せるけど、1巻のラストでかなり状況が変化する。2巻以降、ひょっとしたら別物になっていやしないかという予感がする。最初のテンションを保っていればいいんだけど。

 

 

読んだものについては、折に触れまた書くこともあるかもしれない。1回で語りきれるものでもないので、今後もこうやってさわり程度に列挙していきたい。